藤田さんは4年生(取材当時)。卒業後は在学中に交換留学で訪れたインドへ渡り、インド工科大学大学院に進学する予定だ。夢の中でも研究のアイデアを探しているというほど研究と制作にのめり込んでいる藤田さんが今企んでいることとは?
誤って用いるっていう意味の「誤用」をいかに創造的に使えるかが僕の研究テーマです。
例えば、フィンランド語と日本語の子音の発音が似てるので、フィンランド語を日本語設定のSiriに読み取らせても反応するんじゃないかって検証したり。
あとは、スマホのパノラマ機能を誤用した作品もつくってます。パノラマ機能はスマホを横にスライドさせて撮影するんですが、iOSだとiPhoneを固定しても背景が動いていれば撮影できちゃうんです。そうやって撮影すると特定のモチーフが浮かび上がって見えるんですよ。
普段当たり前のように使ってるものがどんな仕組みで動いてるのか幼少期から気になってたんですよね。今でこそGoProがありますが、僕が小学生の頃は当然そんなものはなくて。
臨場感がある映像を撮るためにカメラをガムテープで頭に巻き付けて撮影したりしてました(笑)。
誤用することで有り得る使い方を企むのが好きなんです。普通の使い方をしてたら気づかない新たな表現を発見できた時は探究心がくすぐられるんですよね。
それにつくった人が意図してなかった使い方を見つけたっていう若干の優越感もあります。
メディア表現学部では電子工作の基礎も学ぶことができるので、グループで電子工作の作品づくりもしてます。音と光で流しそうめんを演出する「TechnoSOMEN」とか。
4専攻あるので、「こんなことしたいんだけど」と企むと、大抵のことは実現できてしまう。これからのことは予想できないけど、大学院でも研究と創作活動を深めていきたいですね。